2014年6月28日土曜日

アスファルトから花



やまんばがなんで野菜に肥料いれないってのにこだわるのかっちゅーと、やっぱ原体験からやな。

高知のど田舎にくらしてたときのこと。
幼稚園児だったやまんばは、家の前のアスファルトの道路にピンク色の小さなものを見つけたんだ。なんだろうってしゃがんでみると、それは薄紫色の直径一センチくらいの小さな花だった。まわりには葉っぱもなくて、ただヒョロ~っと長く伸びた茎が10センチ。その上に5、6枚の花びらをつけたかわいい花がちょこんとついていた。

真っ黒いアスファルトの上に、薄紫色の花。この強烈なコントラストにびっくりしたんだ。驚いてまわりを見ると、近くに2、3本同じようにアスファルトから飛び出した花が。

そのとき幼いやまんばは、ものすごく感動したんだ。
車が通ってもペッちゃんこにならないほどの固いアスファルトを、なんでこんな小さくて細っこい花が自分の力で突き破って出て来るんだ?と。
なんて花って強いんだ。なんて植物って力強いんだっておもった。

たぶんそのころからだな。いっつも地面を這いずりまわってたのは。やまんばは地面の上に出て来る色んなものを見つけて夢中になったんだ。
だからいつも母がぼやいていた。
「なんであんたはいつもヒザッコゾウを破いて帰って来るんだろうねえ。。。」
そういいながら、膝あての布のかわりに、アップリケをつけてくれてた。

オトナになってもあの原風景がずっと心の中にあった。NYで自然とかけ離れた生活をしている日々の中、福岡正信さんの『自然に還る』をブックオフで見つけた時のショックはいまでもはっきり覚えている。
「これだ!!!!!」と。

野に咲く花に肥やしは入れたのか?
山になる実には誰が肥料を入れたのだ?


植物はニンゲンが考える範疇にない。
動物もニンゲンが考える範疇にない。
自然はニンゲンが考える範疇にない。
そして、ニンゲンも、ニンゲンが考える範疇ではない。

もっと何か別のものだ。
もっと全然違う世界が広がっているのだ。
私たちは、ただエライ人が言ったことばを鵜呑みにしているだけだ。
私たちは、今は、ただ小さな窓から世界を眺めているだけに過ぎない。

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