2011年2月6日日曜日

チェルノブイリの森




あの悲劇から、四半世紀経ったチェルノブイリ。
原発に近い町は、廃墟と化したままだった。しかしその無人の町は今自然の宝庫となり、建物や広場には樹木が生い茂っているそうだ。
http://www.cnn.co.jp/world/30001530.html

専門家の人がそこで育った大豆や亜麻の種を調べると、茎や葉からは放射能が検出されたそうだが、種からは放射能はごくわずかだったそう。
我が身は大地から放射能を吸い上げ大地を浄化し、子孫には放射能を残さない。すごいなあ。偉大な母のようだなあ。

近所の友だちにパンつくってもっていくと、それはあっという間に育ち盛りの子供たちに奪われる。母はそのおこぼれをちょろっともらうだけ。だけど彼女たちは、それで十分満足しているように見える。そういう姿は美しく見える。
それと似ている気がする。
植物は大地に空気中にしみ込んだ放射能を我が身に吸収させ、何らかのかたちに変えて浄化させ、その子供たちには正常なDNAを受け継いでいく。

畑をやっていて思うのは、いかに植物が根っこから、大地に入っているものすべてを吸収しているか、だ。最近スーパーで買った野菜が科学的な味がするのに気がついた。たぶんこれは植物が根から化学肥料や農薬を吸い上げているからなのだろう。そしてまた有機肥料も吸われている。私たちは動物のハイキブツや発酵した家庭の生ゴミを吸った野菜もまた食べているのだ。

植物は大地を浄化している。
地球が美しく保たれているのは、海の中や陸地の植物たちのお仕事のたまものだ。すべてがバランスよく正常に働くように、ひたひたと黙々と、彼らの任務をはたしているのだ。その姿を見ていると、人がこうしたら大きくなるだろう、こうしたら効率よくなるだろう、味が良くなるだろうと、世話を焼くほど、ややこしい状況を作り出しているのがわかる。田や畑から排出される肥料や農薬は大地にしみ込み、川に流れ、やがて海にたどり着く。過剰なチッ素やリン酸カリが、海の自然も破壊していく。
諫早湾干拓事業で海が変わって来たのも、農業排水が理由なのではないか?あの不自然に作られた大規模な農地が、もし自然農で行われていたなら、海に損害はこれほどなかったのかもしれない。でもそもそも経済を見越しての事業なのだから、自然農でなんて考えもしないよな。ははは〜。

とまあ、しみ込んだり流れて来ちゃったりした過剰なものを、
「あーあ、またこれがきちゃった」
といいながら、陸の植物や海の植物はせっせせっせと地球を治してくれているのだな。チェルノブイリに育つ植物たちも、せっせせっせと働いてくれている。誰にお礼を言われることを望むわけでもなく。

本当は生物の頂点に立つのは、そしてこの地球の主人公は、植物なのではないのか。


絵:ワイン〜 ぶどうさんありがと〜

8 件のコメント:

田中敬三 さんのコメント...

つくしさん、こんにちは。
チェルノブイリの事故、よく覚えています。
事故があった日、わたしは、春の連休を利用して、イスタンブールに行っていたのです。英字紙に「Ukraina nuclear alarm」と、大きく出ていました。トルコ人たち、不安そうでした。
その後わたしは、2年間、ギリシャで出稼ぎしていたのですが、「雨に当たるな」とか「乳製品を食べるな」とか、大使館のほうから注意がありました。
ヨーロッパの食生活で、「乳製品を食べるな」というのは、無理です。みんな食べていました。わたしも食べました。
ウクライナの隣り、ヨーグルトの国ブルガリアなんか、特に気の毒ですね。
植物は、毒物を浄化してくれるのかもしれませんが、ほ乳類は、乳腺にヨウ素を集めて、放射能を生物濃縮してしまうらしいのです。ギリシャでも、小児白血病の発生率が上がりました。

つくし さんのコメント...

田中さ〜ん、おひさしぶりです。
お引っ越しされたんですね。お元気ですか?

そうかあ。あのときイスタンブールに。ギリシャで出稼ぎって。。。いったい何をなさっていたお人なんでしょう。
ともあれ無事のお帰りでなによりです。

ギリシャにまでチェルノブイリの影響があったんですね。ほ乳類は植物とは違った方法をとるのですね。これもきっと私にはちっともわからないのですが、きっと伺い知れない深い知恵があるんでしょうね。

田中敬三 さんのコメント...

説明がたりませんでしたね。
ヨウ素は、乳幼児の発達に必要な物質なので、ほ乳類は、母親が摂取したヨウ素を、母乳に濃縮する仕組みになっているのです。で、放射性のヨウ素が、牛乳や母乳をとおして、悪さをするわけです。
長い目で見れば、放射能に対しても、有害な化学物質に対しても、生き物たちは、うまく適応していくのでしょう。あるいは、適応できた生き物が残っていくのでしょう。ただ、放射能に関しては、今いるほ乳類は、不利なようにできているわけす。

25年前に、わたし、ギリシャで、何をしていたんでしょうね? 紙芝居をして、村々をまわっていたような……違うか?

つくし さんのコメント...

母体に入った毒物が母乳によって排泄(?)される話はよく聞きます。放射能もそうなんですね。たいへんです。
それもほ乳類である人間が作っちゃったものですから、皮肉ですね。

紙芝居?村々を回った?おもしろ〜い。

まいうぅーぱぱ さんのコメント...

、種からは放射能はごくわずか・・。
すごいねぇ。ナウシカみたいですね!

女房は、二人とも母乳で育てましたが、確かに、みるみる肌がきれいになりましたよ。

つくし さんのコメント...

なるほど〜、ナウシカだなあ〜。

おおっ、母乳やって美人になる!

まいうぅーぱぱ さんのコメント...

肌がきれいになった。
ということです。
美人かどうかは、個人の好みがあるので
なんとも・・・。

つくし さんのコメント...

素肌美人。。。ってことにしときましょうか(笑)。

それにしても奥様はあの年にして、肌がいまだにきれいであります。母乳の成果が今に至っている???